今宵の月は美しい【完】
中鉢に構ってもらうために、私は煙草のひとつでも、担任の前で落としてしまいそうだった。

イケメンに感謝。

それにしても、どこ行ったんだかな中鉢は。

部屋の前でしゃがみこんでいるのも、お尻が痛くなってきた。

友達と遊びにだと、夜中まで帰ってこないとか、あるんだろうか。

やっぱり、メールしてみるんだった。


ジプシーみたいなロングスカートの埃を掃い、立ち上がった。

いきなり中鉢の家の扉が、内側から開いた。

「ひっ!?」

インド人だ……。
ターバンしてるから、絶対これインド人だ!

インド人が何故、中鉢の部屋に!?

「誰だーっ!?」

「私ハ、ジョニーダヨ。
オ前コソダレダ、コギャル」

「私は、コギャルじゃねえええ!!」

インド人のくせに、ジョニーって名前がまず嘘クセー!!

ファイティングポーズを構え、ジョニーと対峙した。

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