今宵の月は美しい【完】
炊飯器から、キラキラ星の音楽が流れた。

「オ邪魔シマスネ!」

同時に入口の扉が開き、私たちは慌てて寄せ合ってた身体を離した。

私はムカついた。

「何で勝手に入ってくるんだよ!
不法侵入だぜ!?」

「イツデモ来テ良イッテイワレテル」

ご飯が炊きあがるのを、待っていたとしか思えない…。

ジョニーは、当然のようにテーブルの前に座り、当然のように「オ食事ハマダデスカ」と言った。

仕方ないので私は台所に行き、ブツブツ文句を言いながら、夕飯の用意をしました。

「美味しい。
良いお嫁さんになれるね、頼子」

えへへ、そう?

「ソレホドデモナイダロ?
ウチノ店ノカレーノホウガ、ウマイゼ」

プ、と吹き出して文句を言うインド人を、殺したくなった。

呼んでないのに私と中鉢のスウィートタイムを邪魔するばかりか、それかよと!

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