今宵の月は美しい【完】
し、幸せだ…。

前回の倍、いや3倍良かった。

「お前、学校に友達いる…?」

息を整えるより先に、何を言う。

今は、愛の言葉とかを囁く時間ではないのか?

私は驚き、思わず身体を離して顔を見た。

「はぁ!?なんで今聞くの!?
さっきいくらでも暇だったじゃん!」

「だって、聞いたってはぐらかして教えてくれないじゃない。
このまま抱きしめててあげるから、教えて」

密着するのは、心地良い。

しかも撫でながら、髪に薄い口付けがずーっと続いてる。

…、なんだかなぁ。

見透かされていると言うか、読まれていると言うか。

諦めて、私は口を開いた。

「……いない」

「どうして作らない? 
夜遊びも楽しいだろうけど、学校で友達いたら、それも楽しいよ」
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