今宵の月は美しい【完】
「買い置きがなくなってる……」

「ジョニーじゃん?
どう考えても、あいつしかいないじゃん?」

煙草パクるくらい、平気でやりそうなものだ。

ほらね。
信用してると裏切られる…、良い例だ。

私、KOOLのACEだから、赤ラークなんて吸えませんよ?

たぶん中鉢も、私の煙草じゃ吸った気がしないはずだ。

「いいや、コンビニ。
頼子も一緒に行こう」

「えー…?めんどくせぇ…」

メイクやり直しだよ。

かったるい。
バイク貸してあげるから、一人で行けよ。

団子虫のように膝を抱えた私の耳に口を寄せ、中鉢が言った。

「頼子。俺とデートしよう」

「!?」

なにっ!?

「往復30分くらい。ケーキ買ってあげる」

「!!!?行く」

わーい!
中鉢とデート初めて。

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