今宵の月は美しい【完】
「えー.…。私は、イケメンでお金持ちで、優しくないと嫌。
でもイケメンがいいから、ヨリちゃんの学年の前園くんに告白されたら、考えちゃう」

「へ、へえ…」

C組のイケメン、人気じゃないか。

話して見ると、性格はそれは最悪な奴なのだが。
あいつも友達、いなそうだし。

「ってことはさ?
生徒の中でも目立って恰好良かったり、可愛かったりしないと、やっぱダメってことだよね」

「そんなことないよ!?
今のは私の話だったら!」

相手が知られてると、やり難いなぁ…。

「う、うーん…そう?
彼もきっと、可愛い子が好きだと思うけど」

「中鉢くんはね、それはもうヨリちゃんのこと、大切に思ってるんだからぁ!」

「戸川ちゃん声がデカいよぉーー…」

他の人に聞こえたら、どうするのだ。

私は、戸川ちゃんの口を押さえた。

「だって!
ヨリちゃんが卑屈な事、言うからさっ」

「ごめんよう……」

どうして私が、謝らないといけないんだよう。

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