今宵の月は美しい【完】
でも話してたら、楽しくなっちゃったよ。

「たぶん色が不味いんだよね、私。
今度やるときは、薄いピンクとか白にするよ。次はジェルにして、見せてあげるね!」

「うん、そう.…色。そうだと思う。
派手なのでなければ。他の先生が何にも言わないなら、良いんだ」

何だ。

やっぱり他の先生から、注意しろ!って、中鉢が怒られるのか。

なんかかわいそー……。

私が悪いのですが。

「ごめんなさい」

私は、素直に謝る気になりました。

中鉢はフと微笑み、煙草に火をつけた。

「いや、良いよ。
それでさ、先週どうしてこなかったの?」

それは、ママの彼氏がこなかったからだ。

「もしかして、待ってた?」

「うん」

嘘ぉ…。
中鉢にも予定があるだろうから、いつも邪魔したら悪いと思って、行かなかっただけだ。

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