今宵の月は美しい【完】
ラップを元の通りに戻し、それは見なかった事にして、私はダンボールを閉じた。




うわぁ、先生大好き!
この前より10倍良かった!

とは、やっぱり言えないので、ただ抱きついた。

だって愛し合ってる者同士、って感じ?

そう意識したら、たまらなくなっちゃったんだもん。

しかし、ここで注意しなくては。

中鉢はまた、肩で息をしながら、何か言いたそうな顔をしている。

これはこのタイミングで、何か聞かれてしまうのかもしれない。

「頼子、沖縄行ったことある?」

「へ」

なにをまた突然…。

「ないよ?」

「あったかくて良い所なんだ」

「そうなんだ…旅行?行けばいいじゃん。
親いるんでしょ?」

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