今宵の月は美しい【完】
「どうしてあいつだ?」

「逆に聞きます!
なんでしげるんだとダメなのっ!?嫉妬で怒るのイクナイ!」

これはもう、開き直り作戦で行くことにした。

嫉妬されるようなことしてたんですが、これは説明してもオッサンにはわかるまい。

誤魔化してあげるのが人情と言うものだ。

私、優しい。

「…ダメなんて言ってない。
ヤリ友じゃないなら、良いよ」

中鉢は戸惑ったように目を逸らし、息をついた。

良くないくせに、高校生相手に嫉妬は認められないわけね。

…なんかカワイソー……

「心配掛けてごめんなさい」

この秘密は、墓場に持っていくよ。

「いや、変なこと疑って悪かった」

「同性の友達じゃないとダメだった?」

「そんなことないけど」

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