今宵の月は美しい【完】
「けど?」

「………」

逸らされた目の方向に移動し、下から見上げたら、困った顔をした。

「けど、は先生じゃない自分が出ました…学校で、すみません」

スーツなのに、学校なのに、今は中鉢が全然先生に見えない。

「覚士出ちゃった?」

一回、呼んでみたかった。

中鉢は自分の名前なのに、ちょっと恥ずかしそうにした。

「…そう」

ギャー!可愛いとこあるじゃん!

思わずその頬にキスをした。

ごめんね、の意味を込めて。

でも結局衝立の向こうにひっぱりこまれて、ちゃんとキスもした。

学校でするのって、あの時以来。

だって、こういう刺激が欲しい訳じゃないって、わかってしまったんだもの。


でも今だけは良いよね。

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