今宵の月は美しい【完】
「ああーー!!」

「ど、どしたの!?」

『文芸部部室』とかかれた、たぶん私が3年間近寄る事もなかったであろう場所にたどり着くと、突然陣野さんが声を上げた。

「ダメかも…。
ヨリちゃん、中鉢先生苦手?」

なぜ、ここで中鉢だ?

苦手と言うか、弱みと言えば、そんな感じです。

「…まぁ」

「文芸部の顧問なんだよね…。
部室の鍵預かってくれてて、部誌発行の時に漢字直してくれるくらいだけど。
…いや?」

「別に大丈夫」

あいつ、そんなことしてたのか。

聞いた事もないどころか、興味もありませんでした。

と言うか、すこしだけ文芸部に興味が湧きました。

「よかったぁ!
じゃあ、みんなに紹介するねっ」

「え、私まだ入るって決めてないし?」

< 79 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop