今宵の月は美しい【完】
私はびっくりした。

わけわかんねー!


さすが古文教師…。
なにやら文学めいた、物言いをする。

『プ、何言ってんの。
月なんて、いつも変わんないよ』

中鉢も酔ってる?

『で、どうゆー意味?』

『それを言ったら、面白くない』

『じゃあ言うなよと!』

『とりあえず。可愛いと思ってる事を信じて貰うには、…続きを?』

引き続き酔っていたとしか思えない私は、続きの誘惑に負けた。

だってものすごく簡単、ここは年中敷きっぱなしと思われる、布団の上なのだから。


抱き合いながら、なんだかいろんな事を聞かれた気がする。

生徒指導室で向かい合っているときは、ちっとも話したくならないのだが。

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