愛してるって呟いて
第1章
ラブレター
「なんのつもり?」
あたしの手には
真っ白の封筒
「なんのって…、見りゃ分かんだろ」
腕を組んで偉そうに立つそいつ
「分かんないから聞いているのよ。なんのつもり?」
もう一度聞く
「だから…ラブレターだよ」
返ってきたのはとんでもない返事
「文芸の吉田ってヤツから、それ渡せって頼まれた」
めんどくさそうにあたしの手の中の真っ白の封筒を見て、ポケットから煙草を出す
「なんで自分で渡さないのかしらね」
ため息を吐いて、封筒を開ける
「俺だったら100%受けとるっていう自信があいつにはあるらしい」
目を細めて笑うそいつ
「意味ないじゃない」
またため息を吐く