金曜日のコンビニ【短編】
「ご不要ですか?」
てっきり捨ててくれって意味で渡されたと思った。
けど、
「あ、違います。
よかったら連絡ください。
その……もう少しあなたと連絡したくて」
真面目な顔の彼が少し頬を染めて言う。
その様子に私の胸は高鳴る。
そしてそのまま逃げるように私に背を向けてさっていった。
顔が……熱い。
高鳴る鼓動が抑えられない。
気持ちを鎮めようと深呼吸をした。
先手を…打たれちゃったな。
手に握りしめたレシートの裏に記されたアドレスを確認する。
期待しちゃってもいいのかな?
気になる彼からもらった紙切れに、
何かが始まる予感。
2010,06,15