虹を好きになったあなた
私を呼ぶ声が聞こえてハッと前を向けると蒼ちゃんが少し心配そうな顔で覗いていた。



「そっ、蒼ちゃん!?」


まさか今、話していた人が来るとは思わなくて私は少し変な声が出てしまった。



「ん。光、大丈夫か?ボーッとしてたけど」



「う、うん!大丈夫!大丈夫!」



私は慌てて肯定した。



だって蒼ちゃんにこんな気持ち知られたくなくて…



「そっか」



蒼ちゃんは私の隣に座った。



私はそっと蒼ちゃんにもたれた。



不思議だね。蒼ちゃんが側にいてくれたら、さっきまでの嫌な気持ちがすっと消えた。



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