天然ちゃんと2人の双子の王子様
「おはよ~、剣哉」
「おはよう」
教室に入ると、友達の橘 恭平〈タチバナ キョウヘイ〉に挨拶された。
明るくて、人見知りしない性格だから、みんなから慕われている。
俺が唯一、素を出せる友達。
周りも俺も、恭って呼んでる。
「中城君、おはよう」
「おはよう」
女の子達に挨拶され、剣斗同様の王子様スマイルでそう返すと
女の子達は「キャー!挨拶しちゃったっ」なんて言って帰っていった。
あぁ~…
やっぱ、こういうの苦手……
「毎朝ご苦労様」
「楽しんでるだろ?」
からかい口調の恭は、絶対楽しんでる。
周りにばれたらいけないから、俺が怒れないのを知って。
「まぁね」
なんて、笑顔で言うから殴りたくなる。
「てか、王子様キャラ嫌なら、剣斗と違いつければいいじゃんか」
確かに、髪型変えたりしたりして、何か変化をつければいいかもしれない。
けど
「それじゃ意味無いの」
違いを出さなきゃ、見分けられないなんて、俺達は嫌。
結局、俺等の何を見てるんだかわかんない。
「そういうもん?」
「そういうもん」
俺がそう言うと、恭は「ふ~ん」と納得のいかない様子。
まぁ、普通の人からしたらわかんないよな。