天然ちゃんと2人の双子の王子様
キーンコーンカーンコーン
『私、次の教室移動何でお先に失礼しますっ』
予鈴が鳴ると、林は急いで楽器を片付け始めた。
教室から遠いし、大変そうだな。
楽器を片付け終わると、屋上のドアの方に走って行った。
と、思ったら俺等の方に振り向いた。
忘れ物でもしたのか?
『剣哉先輩、剣斗先輩。屋上、本当にありがとうございましたっ』
林は、名前の方を見てそう言って、屋上を出て行った。
えっ、俺と剣斗を見分けてる?
そう思って剣斗を見ると、剣斗も不思議そうに俺を見ていた。
「さっき、俺と剣斗の方、名前通りの方を見て言ったよな?」
「言った…。剣哉も見たって事は、俺の気のせいじゃない?」
初めてのことで、俺と剣斗もちょっと混乱した状態。
ふと、さっき林の居たところを見ると
「あれ?これって、林のじゃない?」
「本当だ」
床に置いてあった楽譜を拾う。
楽譜って事は、林しか居ないだろう。
「まぁ、多分放課後取りに来ると思うよ?」
放課後…?
あっ、いいこと思いついた。
「なぁ、ゲームしない?」
「ゲーム?」
俺の言葉に、首を傾げる剣斗。
「その、ゲームは――」