天然ちゃんと2人の双子の王子様
~実夏Side~
「実夏~。部活行こう」
『うんっ』
放課後になって、隣の教室から優衣ちゃんがやってくる。
鞄と楽器を持って、あと楽譜…
って、あれ…?
『楽譜がないっ!!』
お昼休みは、あったよね…?
「屋上に忘れたんじゃない?実夏、ドジだから」
『そうかも…』
あの時、急いで出てきたから有り得る。
『私、取りに行ってくるね』
「私も付いて行こうか?」
『ううん。部活遅れたら申し訳ないし、先輩に遅れるって言ってくれるだけで充分』
もうすぐ部活の時間だし、2人で遅刻もね。
「そう?じゃ、先に行ってるよ」
『うん』
優衣ちゃんを見届けて、私は屋上に向かった。