【BL】BLOVED
カーテンを力一杯引き、握り締めた。
どくどくと鼓動がせわしなく動き、おさまらない。
ユウキは俺に、付き合ってる子がいるなんて一言も言わなかった。
裏切られた気持ちになるのは勝手過ぎるとわかっていても、とめることが出来ない。
だが当たり前のことだ、ユウキは人当たりもいいし容姿もいい。
彼女がいない方がおかしい。
そう自分に言い聞かせてみても、苦しさを誤魔化すことは、出来そうもなかった。
幼なじみだからって、一切合切何もかもを話さなきゃならないわけじゃない。
だけど言われなかったことは、俺の中に深く闇を落とした。
そして今俺が感じている感情は、幼なじみとは関係ないというのも、わかっていた。