【BL】BLOVED
まんじりともせずに迎えた翌朝。
朝食を味気なく感じながら、砂を飲み込むようにのろのろと食べる。
学校へ行く支度をし、玄関の戸を開けると、丁度ユウキが出て来るところだった。
「あ、おはようカズヤ」
スッキリ爽やかな顔をしているユウキ──の後ろから、おずおずと出て来たのは昨日の女の子。
真っ赤な目は寝不足ゆえだろうか。
「……おう」
なんだか苛ついて、いつも以上にぶっきらぼうになってしまう。
そんな俺に対してユウキは一瞬止まって、にっこりと笑った。
「どーしたの? なんだか機嫌悪い??」
「……別に」
「またそんなこと言って。オレに通用すると思う?」
ムスッと黙り込む俺に、執拗なまでに絡んでくるユウキ。
まるで後ろの彼女のことなんか忘れてしまったかのように、会話でさえ触れようとしない。