私だけの王子さま
これが、私の出した答え――…。
本多さんが言ってくれた‘真っ直ぐな子’という言葉を、自分自身の行動で示したい。
そして、いつか、変わった私を見て欲しいんだ。
私に、今日のきっかけをくれた麻智のためにも。
そして、委員長と、きちんと向き合うためにも。
ウジウジしてたって仕方ない。
今までの私は、色々な人に支えられて生きて来た。
だから、今度は、私の番。
大きな心で、大切な人を支えられる人間になるんだ。
「花梨さん!」
私は、再び立ち上がり、今度は花梨さんに身体を向けた。
私の真剣な瞳に、花梨さんも応えてくれている。
「私に、ここで、ボランティアをさせて下さい!
花梨さんや、他の職員さんの働く姿を、近くで見させて下さい!」
私は、深く頭を下げた。
そして、数秒間の沈黙が流れた後、花梨さんが近付いて来る気配がした。
ポンッ
両肩に置かれた温かい手。
私が顔を上げると、そこには、とても優しい笑顔を浮かべた花梨さんがいた。
「相原さん、
これから、よろしくね!」
「……はいっ!」