私だけの王子さま
学さん――…。
舞さんの恋人だった人。
委員長が、その人の変わりになる…か。
委員長のことだから、きっと、すごく真剣な顔をして言ったんだろうな…。
そう思うと、私までおかしくなった。
その後も続いた二人の話によれば、委員長は、今日の私のように、その場で‘ボランティア宣言’をしたのだという。
意外なところで見つかった、委員長との共通点。
「もう、本当に、セリフまでそっくりだったんだから…」
花梨さんが、思い出し笑いをしている側で、本多さんは、私に言った。
「柚季ちゃん、舞のことを考えてくれて、どうもありがとう。
私は、本当に幸せ者だわ…」
その時、私は、今日ここに来て本当に良かったと思ったんだ。
この前来た時は、何も言えないまま帰ってしまったから。
今日、本多さんの嬉しそうな笑顔を見ることができて、心からホッとした。
そうして、一気に緊張が解けた私たちは、しばらくそのまま、他愛もない会話で盛り上がっていた。