私だけの王子さま
第6章 近づく二人
それぞれの事情
翌日から、私はほぼ1日置きのペースで、ボランティアをするようになった。
委員長と一緒の日もあれば、そうでない日もある。
心の底では、この前の委員長と花梨さんの会話が気になっていた。
だけど、その後も二人とは普通に接している。
何かある度に、ウジウジするのは、もう卒業したから。
それに、今はボランティアに慣れることに精一杯だった。
私ができることと言えば、お年寄りの話し相手、掃除の手伝いくらいだったけれど、それでも十分に充実していた。
若い頃から釣りが大好きで、50センチの魚を釣ったことがあると繰り返し話すおじいさん。
週に一度だけの、孫の訪問を楽しみにしているおばあさん。
私が来るのを皆が心待ちにしていてくれて、色々な話をしてくれた。