私だけの王子さま
衝撃の接点
スラリとした長身。
少し長めの明るい髪の毛。
整った顔立ち―――。
外見だけなら、完璧に近いこの男。
一応、まだ未成年のくせに、煙草なんかくわえている。
「アキラ…どうして?」
あまりの衝撃に、私の声は震えていた。
「自分の地元にいたら悪いのかよ。」
驚きを隠せない私に、そう言い放つと、アキラは持っていた煙草をいきなり踏み潰した。
「何だよ、お前。
俺と別れてそんなに経ってないのに、もう新しい男連れてるわけ?」
鋭い目付きを向けながら、ジリッジリッと近寄って来る。
まさか、アキラの地元が委員長と同じだったなんて思いもしなかった。
外見だけの付き合いだった私にとって、そんなことは興味すらなかったのだ。
だけど、どうして?
よりによって、なぜ今日なのだろう?
恐怖のためか、全く身動きが取れない。
そうしている間にも、アキラとの距離はぐんぐん縮まっていく。
ゴクリ…
隣にいる委員長が息を飲んだのが分かった。
私の行動が招いた事態に、委員長を巻き込むわけにはいかない。
私は、近づいてくるアキラをキッと睨み付けた。
「おー怖っ!せっかくの可愛い顔が台無しだぜ?」
アキラは、不適な笑みを浮かべ、私の目の前まで来ると、スッと手を前に伸ばした。
殴られる―――!!