私だけの王子さま
いつの間にか、花火はフィナーレへと向かっている。
咲いては散って、また咲いて…。
委員長も私も、その間は何も喋らなかった。
繋がる手の温もりから、お互いの存在を確かめ合う。
ただ、それだけ。
そして、今まででいちばん大きな音と共に、最後の花火が上がる寸前。
ついに、委員長が重い口を開いた。
だけど、それは、私が想像もしていなかった一言で。
花火の音など敵わないくらいに強い衝撃だった。
「俺…
ばあちゃんのこと、死なせたんだ…」
その瞬間―――。
ドォン…!!
パラパラパラ…
最後の花火が、委員長の悲痛な表情を照らし、虚しく散っていった…。