私だけの王子さま



―――………
――……
―…



「じゃあ、また明日」


「うん」


あれから数十分後、委員長に駅まで送ってもらった。


その時に分かったこと。


必死に委員長を捜していた時には、気が付かなかったけれど、二人で話していた駐車場は、実は駅の近くだったらしい。


歩いていたら、あっという間に着いてしまった。



お互いに手を振った後、私は切符を買うために、販売機へ向かおうとした。


すると―――



「相原!」


委員長が突然、私を呼び止めた。


しかも、周りにいた人たちが皆、振り返るほどの大声で。


びっくりした私は、慌てて委員長の元へ駆け寄った。


「…どうしたの?そんな大きな声で…」


私がそう言うと、委員長もやっと周りからの痛い視線を察したようで、バツが悪そうに肩をすくめていた。




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