私だけの王子さま
今思えば、この頃から私の中には、人は見た目だという思いが少なからずあったのかもしれない。
でも、当時はまだ、純粋な心を持っていた。
小学校、中学校、高校――。
年齢を重ねるごとに、私の容姿に対して、周りから羨望の眼差しを向けられることが多くなっていった。
中学に上がった頃からは、何人もの男の子に告白されるようにもなった。
でもそのせいで、女の子に恨まれることも多くなり、羨望の眼差しは、嫉妬へと変わっていった。
最初は、ただの八つ当たりだと思い、相手にしていなかった。
でも、そうすると今度は、その態度が気にくわないと言われた。
「可愛いからって、いい気になってるんじゃないの?」
それが、お決まりの文句だったように思う。
私は次第に、そんな人間たちを疎ましく思うようになっていった。
恨むなら、勝手に恨めば良い。
そんな時だった。
学校の裏庭で数人の男の子が話をしていたのだ。
その中には、昨日私に告白をして来た人が交じっていた。