私だけの王子さま
初対面と異変
「本多さん、おはようございます!」
気持ちを入れ替えて、元気良く本多さんに声を掛ける。
なぜなら、今日は、本多さんに見せたいものがあるのだ。
折り紙で作った、ヒマワリの花。
以前、本多さんが好きって言っていたのを思い出し、今日来る前に頑張って作ってみた。
「本多さん!これ、見てくださ…い…」
―――あれ?
私が目を向けた先には、本多さんの他に、背の高い一人の女性が立っていた。
年齢は、50歳くらいだろうか。
どことなく、雰囲気が本多さんに似ているような気がした。
その女性は、私の姿を確認すると、にっこりと微笑んだ。
「…あなたが、柚季さん?」
「はい、そうですけど…」
私は、不思議に思いながらも、会釈を返す。
すると―――
「やっぱり。そうだと思った。
初めまして。私、本多の娘の、谷本と申します」