私だけの王子さま
「相原くらいの女が彼女だったらさぁ、周りに自慢できるじゃん?」
彼は、ケロっとした表情でそう言った。
「何お前?もしかして、それ目当てで告ったの?」
「そっ!アイツの外見以外はどーでもいいって感じ?」
「うわ、ひでー!お前、表ではいい奴だけど、裏は最低だな!」
みんな、ゲラゲラと笑っていた。
……泣きそうになった。
でも、気付かれたくなかった私は、必死で涙を堪えて静かにその場を離れた。
‘外見以外はどうでもいい’
私、そういう風に思われてたんだ……。
そんなことにも気が付かなかったなんて、情けない。
彼の優しさに惹かれていた自分がバカらしく思えてきた。
そして放課後、私は彼を振った。
「アンタの外見じゃ、私に釣り合わない」
そう捨てゼリフを吐いて……。
この日、
私の純粋だった心は、
真っ暗な闇に、
支配された――。