私だけの王子さま
「登校日、何するの?」
正直、行くのが面倒くさい。
もし、大したことのない内容ならば、出欠を取った後、こっそり抜けようと思っていた。
「さぁ?
HRと掃除と…、あと何か今後の進路指導のことで、大切な話があるから、出席必須らしいよ。
提出物もあるってさ」
学校側も、サボり防止のために、それなりの策を講じているようだ。
だけど、登校日なら、午前中で終わる。
「宮田さん…すいません。
3日後、午後から来るって、花梨さんに伝えておいてもらえますか?」
「おー分かった。言っとくよ」
「ありがとうございます」
委員長は、手伝いが終わってから帰るらしいので、その日は一人だった。
別れ際に、チラッと委員長を見ると、目があった。
「またね」
「うん」
その後すぐに、宮田さんが委員長のことをからかっていた。
私は、そんな二人の楽しそうな様子を背後で感じながら、家までの道をゆっくりと歩いて行った。