私だけの王子さま

それからの私は、外見のいい男に告白されれば付き合い、そうでない男は片っ端から振りまくった。


好きな人をとられた腹いせに、文句を言ってくる女の子も増えた。


でも、私は悪くない。


彼女たちが可愛くないから振り向いてもらえないだけ……。


そんな私を、幼なじみの麻智だけは見捨てないでくれていた。
彼女は、いつも明るい笑顔で私に接してくれた。


高校に入った今でも、それだけは変わっていない。

そのおかげで、高校では、七菜たちのように、仲の良い友だちもできた。


中学と比べて、多少大人になった分、陰口を言う人も少なくなった。
私が誰と付き合おうと、あまり興味を示さなくなってきたからだろう。


それでも私は、外見の良し悪しで人を見ることをやめなかった。


だから、今回もアキラと付き合ったのだ。


その結果、あの時と同じような言葉を向けられ、また自分自身が傷付くことになってしまった。


罰が当たったのかもしれない。


自分の見た目が良いことを利用し、カッコ良い男を捕まえては、優越感にひたっていた罰が……。


私は、人を見下していたのだ。


自分が傷ついたのは、自分のせい。


こんなんじゃ、素敵な王子さまなんて、迎えに来てくれるはずもない――。