私だけの王子さま
私がそのことを知ったのは、本多さんがいなくなってすぐのボランティアの時。
委員長が姿を見せなくなってすぐのことだった。
何度も手紙を読んでは、溜め息をつく私に、花梨さんが教えてくれたのだ。
私は、すぐに思った。
その海に、行きたいって…
委員長と一緒に、行こうって…
そう思ったんだ。
「委員長、私ね。
ボランティアを始める時に、本多さんに宣言したの」
「宣言…?」
「うん…」
――ドクン…ドクン…
いよいよ近づいてきた瞬間に、私の鼓動が早くなるのを感じた。
私は、それを抑えようと、一度、大きく息を吐く。
「…相原?」
そう疑問の表情を浮かべた委員長に、
ゆっくりと視線を合わせて言った。
「私が…
舞さんの夢を叶えますって…
宣言したの」