私だけの王子さま
第2章 君との出逢い
委員長
気が付くと私は、自宅から少し離れた場所にある公園に来ていた。
アキラと別れてから、どのくらい経ったのだろう?
近くの一軒家の灯りは、すでに消えていた。
私は今、誰もいない公園に一人たたずんでいる。
砂場には、昼間遊んでいた子どもが忘れていったと思われる小さなバケツとスコップが寂しそうに置かれていた。
ふと視界に入ってきたのは、幼い頃によく遊んだブランコ。
それに腰を掛け、軽く地面を蹴った。
すでに何回も蹴られているため、真下にはくぼみができている。
キィィ……、キィィ……。
夏の夜空に、ブランコの揺れる音だけが、虚しく響いていた。