私だけの王子さま
―――私が、海を眺めながら、そんな思い出を振り返っていると、
黙ったままだった委員長の声が耳に届いた。
「なぁ、相原?」
「ん?」
振り向くと、委員長は何故かまた真剣な顔をして立っている。
「…本当に、俺でいいの?」
「は…?」
…いきなり何を言い出すのだろう?
私は、訳が分からず、首を傾げた。
すると、委員長は私の手のひらにある贈り物に、
そっと手を置いて、再び尋ねる。
「相原の王子さま…
俺でいい?」
そう言って、不安そうな瞳で、私を見つめている。
すごく愛しいその姿。
私は、とびきりの笑顔で言ったんだ。
「当たり前じゃない…!」