私だけの王子さま
まるで、ダムが決壊してしまったかのように、次々と溢れる涙。
委員長は、急に泣き出した私を見て、
「あっえっ!?
ごめん。俺何か余計なこと言っちゃった?」
って、すごく慌てていた。
でも、それ以上は何も言わずに、ただ泣いている私の頭をそっと撫でてくれた。
そんな委員長の優しさに触れる度に、私の心の中に、少しずつ温かさが生まれる。
私は、泣きながら話をした。
中学の時に感じた淡い恋心。
それを踏みにじった最悪の言葉。
それ以来、外見だけで人を見てきたこと。
そして、
今日、アキラとの間に何があったのか……。
私が話している間も、委員長は何も言わずに、耳を傾けてくれていた。
そのことが、どれほど私を安心させてくれただろう。
今の私にとって必要なのは、委員長みたいに、ただそばにいてくれる人なんだと、心からそう思えた。
泣きじゃくっていたせいで、言葉にはならなかったけど、私は声にならない声でずっと叫んでいた。
「ありがとう、委員長」って。