私だけの王子さま
最初は、不思議そうな顔をしていた麻智だったけど、話が終わる頃には、好奇心に満ち溢れた瞳になっていた。
まるで、子どものように目を輝かせながら、私を見る。
「……で?その後はどうなったの?」
「どうって、家まで送ってもらっただけ」
何を期待しているのかは、麻智が残念そうな顔になったのを見て、だいたい予想ができた。
「なぁんだ。つまんないの〜……」
「……」
つまらないって……。
さっきまで親身になって話を聞いてくれた麻智とはうってかわり、噂話好きの女子高生に戻っている。
でも、それも何だか心地が良かった。
もしあの雰囲気のままだったら、この先何を話せば良いのか戸惑っていたはずだから。
これも麻智なりの気遣いなのかな。
「あのねぇ……麻智。昨日あんなことがあった後で、どうこうなるなんてこと有り得ないでしょ!」
「……まぁ、そうだけど」
麻智は、そう言いながらも何かを考えている。
「麻智……?」