私だけの王子さま
結局その日も委員長と連絡がつかないまま、次の日の迎えた。
ピンポーン♪
約束通り、11時に玄関のチャイムが鳴った。
「おはよっ!」
元気良く言った麻智は、ジーンズにTシャツというカジュアルな格好で、すでに騒ぐ気満々という雰囲気を醸し出している。
一方の私は、キャミソールに少し長めのスカートを合わせ、上着を羽織っていた。
日焼け防止のためにクリームを入念に塗り、日傘も持っていく。
麻智には「どこのお嬢様だよ」って突っ込まれたけど、焼けると真っ赤になって大変なので仕方がない。
「よしっ!準備オッケー!
さぁ、出発しんこー!」
右手を高く突き上げていつも以上に浮かれ気味の麻智。
その姿を見て、若干引きつった顔を浮かべながらも、隣りに並んで家をあとにした。