私だけの王子さま




結局その日も委員長と連絡がつかないまま、次の日の迎えた。



ピンポーン♪

約束通り、11時に玄関のチャイムが鳴った。


「おはよっ!」


元気良く言った麻智は、ジーンズにTシャツというカジュアルな格好で、すでに騒ぐ気満々という雰囲気を醸し出している。


一方の私は、キャミソールに少し長めのスカートを合わせ、上着を羽織っていた。

日焼け防止のためにクリームを入念に塗り、日傘も持っていく。


麻智には「どこのお嬢様だよ」って突っ込まれたけど、焼けると真っ赤になって大変なので仕方がない。


「よしっ!準備オッケー!
さぁ、出発しんこー!」


右手を高く突き上げていつも以上に浮かれ気味の麻智。

その姿を見て、若干引きつった顔を浮かべながらも、隣りに並んで家をあとにした。





< 51 / 220 >

この作品をシェア

pagetop