私だけの王子さま
安らぎの時間
翌日、私はあの公園のベンチで、委員長が来るのを待っていた。
現在の時刻は、朝の7時。
こんなに早く起きるのは、久しぶりだった。
“―――ちょっと早いんだけどさ、明日朝7時にあの公園に来てくれないかな?できれば、動きやすい格好で”
あの後、委員長はそれだけ指示をすると、呼ばれてるからと言って、電話を切った。
どこに行くのかは、教えてくれなかったので分からない。
それに、委員長のこと‘雪也くん’と呼んだ女の人のことだって、気になって仕方がなかった。
だけど、もうすぐ委員長に会えると思うと、それだけで嬉しい気持ちになる。
実を言うと、私は、朝起きるのが得意ではない。
学校にだって、毎回遅刻ギリギリに行っていたくらいだ。
でも今日は、なぜかアラームが鳴る前に目が覚めてしまった。
委員長の指示通り、動きやすそうな服に着替えてからリビングに行くと、久々に出勤前の父に遭遇した。
かなり早い私の登場に目を丸くしている父を見て思わず苦笑い。
それから、簡単に朝食を済ませ、玄関へ向かった。
予定よりも早く家を出たので、私は約束の時間よりもだいぶ前から来ている。
だから余計に時間が経つのが遅く感じて、一分一秒が待ち遠しかった。