私だけの王子さま
それから、しばらくは二人とも無言だった。
ただゆっくりと、時間だけが流れていく。
まるで、この世界に二人だけしかいないような感覚が生まれる。
いつまでも、このままでいたいと思った。
―――委員長は今、私の隣で何を考えているのだろう?
私は、横にいる委員長をチラッと見た。
ただ黙ったまま、一点を見つめている。
「ん、何?」
私の視線に気が付いたのか、委員長がこっちに顔を向けた。
その瞬間、私の胸が大きく高鳴った。
「なっ何でもないっ!」
自分でも、顔が赤くなるのが分かる。
「何だよ、さっきからそればっかりじゃん」
委員長は、そう言って、ははっと笑った。