私だけの王子さま
それから私は、麻智とのやり取りの一部始終を話した。
委員長は、あの時と同じように、私が話すのを聞いてくれた。
「…麻智と話せたのは、委員長のおかげだからね?」
話の最後に、私の口から出た言葉。
その言葉に、委員長は驚いたようだった。
「えっ俺?何で?」
委員長には、自覚がないようだ。
あの時の委員長の存在に、私がどれほど救われたのかということに…。
「…だって、あの時、委員長に会って、話聞いてもらわなかったら、私きっと誰にも話せずに抱え込んでたと思うもん。
委員長がいたから、麻智とちゃんと話そうって…。
麻智は親友なんだから、しっかり話しておこうって気持ちになれた。
それを一つのケジメにして、今までの自分とサヨナラしようって思えたの」
いまいち、まとまらないセリフだったけれど、私は思っていたことを、懸命に伝えた。
そして、最後に、いちばん言いたかったこと―――。
「委員長。あの時そばにいてくれて、ありがとう。本当に感謝してるよ!」
目を見て言うのは、恥ずかしくて無理だったけれど、私はこの時、委員長の前で、初めてまともなことを言えたような気がした。
「え!委員長!?」