私だけの王子さま
「委員長。私、笑ってないよ?ただちょっと、可愛いなって思っただけ」
「本当に?」
「うん」
「なら、許す」
その後、私たちは、顔を見合せて笑った。
「何か、俺らアホみたいだね」
「…そうかも」
こうやって、委員長のことをもっともっと知っていきたい。
ほんの些細なことだって構わない。
そうすればきっと、いつか伝えられるはずだから―――。
誰もいない朝の公園に、二人の笑い声だけが、響き渡っていた。
あんまり楽しそうに笑うから、全然気付かなかった。
委員長が、これまでに、どれほど辛い思いをしてきたかなんて。
半月後に、アイツが再び、私の前に姿を現すまでは…。
「そろそろ、行こうか?」
「うん」
そう言って、私たちは立ち上がり、安らぎの時間を過ごした公園をあとにした。