私だけの王子さま
第5章 はじめの一歩
心の距離
夢を見た。
私と委員長が一緒にいる夢。
あの公園で、いつものように話す夢。
だけど、私たちの間には、‘見えない壁’があって。
私は、それ以上先には進めない。
委員長は、変わらず優しい笑顔を向けてくれるのに、
近付こうとすると、離れてしまう。
「…じゃあね」
委員長は、そう言って立ち上がり、私に背を向けて歩き出す。
知らない場所へ行こうとする。
待って…!
待って、委員長!!
まだ、話したいことがたくさんある。
聞きたいこともいっぱいある。
だから、お願い。
一人で行かないで。
一人で…
抱え込まないで―――…