緑の風がそよぐとき

わたしは黙ったままパスタを電子レンジへ持っていく。

何か話さなければ変に思われるかも、と思い必死に考える。

「バイクは磨き終わったの?」

「当たり前だろ。そんな何時間もかかるかよ」

そうだよね。
我ながら呆れる質問だ。

「あんなにバイク磨いて、後ろに乗せる人っていないの?」

「ああ。それはもう決めてる」

「ふーん」

倫太郎にもそういう人っているんだ。
顔は悪くないのに、昔から浮いた話聞かないねよね。
わたしが知らないだけかな。

「ふーんって、あんま興味なさそうだな」

「いや、あんたにもそんな人いたんだと思って」

「俺ももう22ですから」

歳が関係あるのか疑問だけど。


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