緑の風がそよぐとき

その初めて会った青年を見て、不思議と恐怖や疑念という感情は沸いてこなかった。

「願い?」

「そう。いつも手を合わせて何を願っているの?」

「え?」

今、『いつも』って言わなかった?

その言葉が引っ掛かったけれど、

「何も……」

そう答えていた。


< 17 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop