緑の風がそよぐとき
それぞれのキモチ
やっぱり梅雨入りしたらしく、その週は雨続きで歩く気になれず、悶々と毎日を過ごしていた。
そんな金曜の夜に倫太郎が訪ねてきた。
部屋にいると下から
「おばさーん、真琴いる?」
って声が聞こえた。
わたしは軽く返事をして、階段を降りていく。
「雨上がったし、ちょっと外出ね?」
倫太郎はいつもの明るい笑顔だった。
そして手にはヘルメットを持っていて、もう片方の手でヘルメットを指差している。
バイクに乗っけてくれるってこと?