緑の風がそよぐとき
シャワーを終えてリビングに戻ると、もう彬兄の姿はなかった。
テーブルの上にメモが置いてある。
『7時までには帰るから。
晩ご飯は一緒に食べよう』
そして、後は温めるだけのパスタが置いてあった。
お父さんとお母さんは昨日から二人で旅行に行ってる。
今晩遅くに帰ってくりらしいから、彬兄はわたしを気遣ってくれてる。
その優しさが心地好いけど、同時にわたしを締め付ける。
静かなリビングでポツンとひとり。
虚しい気持ちでいっぱいで、せっかくのパスタも食べられそうにない。