アクオー
「あっ!!」

桑ちゃんのトラックがセンターの駐車場を出て行く。

助手席には最近入ったばかりの新人が乗っていた。

桑ちゃんも新人も楽しそうに笑っているのが見えた。

ウインカーランプが消えるのと同時に加速して、桑ちゃんのトラックは走り去ってしまった。

振り返りセンター長を見ると、素早い動作で玄関ドアを開けて建物の中へ。

駐車場のアスファルトの上には、僕の体から垂れた水滴の跡が点々とついていて、遠い方から順番に一つずつ消えていった。
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