アクオー
その日は、いつもより少し遠くまで自転車を漕いだ。

それまで、いくつも”可能”な場所は見つけたが、ここだというインパクトが足りなかった。

僕の人生の最期を飾るにふさわしい場所。

「ここしか無い」という場所が良い。

春翔(はるしょう)なんかが生意気だと、会社の連中に知られたら笑われるだろう。

でも、死ぬ時くらいは自分の思い通りに死にたい。

笑いたければ、僕が死んだ後に存分に笑えば良いんだ
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