教え子の甘い誘惑
もう…担任どころか、教師自体を続けていく自信が無くなってきた。

「ごっゴメンね、先生」

「いろいろとオレ達も言っているんだけどさ」

「アイツ、自分が英語得意だからって、天狗になっているんだよ」

生徒達から慰められる教師…情けな過ぎる。

「…も、良いわ。とにかく、授業を始めます。もうすぐ学期末のテストがはじまるしね。みんな、気合を入れて頑張って」

1人の生徒の為に、他の生徒達の授業に影響を与えてはいけない。

アタシは気持ちを切り替え、授業を始めた。

―そして無事、終了。

生徒達は渡されたプリントに、顔をしかめている。

「世納くんのは…机の中にでも入れといて」

「はい」

彼の後ろの席の生徒が、英語のプリントを机に入れた。
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