教え子の甘い誘惑
「ええ。今日も、よ。今日でめでたくなく、3ヶ月が突破したわ」

「それはおめでたくないわね。慰めにコーヒーでもいかが?」

「いただくわ」

壁際の長椅子に腰をかけ、首を鳴らす。

「ご苦労様。もうすぐ期末テストで忙しい時期に、相変わらずなんて大変じゃない?」

「事実、大変よ。教頭先生からは毎日お小言をいただいているしね。担任の先生も頭痛がするみたい」

「どうりで良く頭痛薬を貰いに来ると思った」

涼子は肩を竦め、コーヒーカップを渡してくれた。

「ありがと。でもいい加減にしないと、彼、もう夏休み中の補習決定なのよ」

「自業自得ね。でもこれがずっと続けば…」

「ええ、今度は進級の問題になるわ。世納くん、成績自体は良いのだから、勿体無い話よね」

「随分他人事のように言うのね。もう諦めた?」

イスに座り、涼子は楽しそうに言ってくる。
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