教え子の甘い誘惑
ここ三ヶ月のアタシの苦労を良く知っているから、こういう顔ができるんだろうな。
…いい性格をしているよ。彼とはまた違って。
「彼だけの問題じゃないわよ。アタシや担任の先生にだって、処分は回ってくるんだから」
「指導力不足と言われても、困ることよね。教頭先生からはあたしにも声がかかっているのよ。どうにか彼を説得できないか、ってね」
「でも居場所が特定できないからねぇ。まさか授業中に探しに行くわけにもいかないし」
「校舎の中にいるのは分かっていることなんだけどね」
「ええ。アタシの次の授業には必ず出席するもの」
つまり彼はアタシの受け持つ英語だけが、問題になっている。
このままじゃ本当に進級も危うい。
「アンタも厄年なんじゃない? そろそろ担任になりたいなんて言っていた時に、問題児と当たるなんてね」
「ホント。この5年間、何とか平穏無事に過ごせてきたんだけどね」
…いい性格をしているよ。彼とはまた違って。
「彼だけの問題じゃないわよ。アタシや担任の先生にだって、処分は回ってくるんだから」
「指導力不足と言われても、困ることよね。教頭先生からはあたしにも声がかかっているのよ。どうにか彼を説得できないか、ってね」
「でも居場所が特定できないからねぇ。まさか授業中に探しに行くわけにもいかないし」
「校舎の中にいるのは分かっていることなんだけどね」
「ええ。アタシの次の授業には必ず出席するもの」
つまり彼はアタシの受け持つ英語だけが、問題になっている。
このままじゃ本当に進級も危うい。
「アンタも厄年なんじゃない? そろそろ担任になりたいなんて言っていた時に、問題児と当たるなんてね」
「ホント。この5年間、何とか平穏無事に過ごせてきたんだけどね」